公        衆        電        話

 外国へ行って電話をかける機会がある。最近は、海外でも使える日本の携帯電話や国際電話プリペイドカードがあるので便利である。しかし、前者は値段が高く、後者はかけられる国が限られている。そのため、外国へ行ったときに、その国の公衆電話を利用しなければならない時がある。

 
 日本は携帯電話の普及により、公衆電話の数は減ってきて
いる。それでも、携帯電話がないときや使えない時は公衆電
話を利用する。先進国のほとんどの国で公衆電話を利用する
ことができる。そして、公衆電話を利用するときに不可欠なの
がテレフォンカードである。

 テレフォンカードの大きさはクレジットカードくらいであるが、
国によって作りや使い方が違う。
 日本のテレフォンカードは、薄いカードに度数などのデータ
を入れているタイプである。薄くてかさばらないのはよいが、
データを改ざんして不正に使用する危険性があるのが短所で
ある。事実、5000円といった高額のテレフォンカードはなくな
り、500円や1000円のカードのみ販売している。 
 そこで、テレフォンカードにICチップなどを入れたタイプがあ
る。世界中でこのタイプを見かけることが多い。ICチップのお
かげで改ざんはされないが、クレジットカードなみの厚さにな
ってしまうのでかさばってしまうのが短所である。
 最近はスクラッチ式のテレフォンカードが普及してきている。このタイプは、カードそのものには何のデータも入っていない。ある意味紙切れのようなものである。しかし、カードの裏にピンコード(数字)が書かれている。このピンコードは購入時は隠されており、コインなどで削ると見ることができる。そして、電話をかけると音声案内があり、それに従ってピンコードを入力すれば通話ができるようになる。値段のわりに長時間通話できるものが増えてきたが、電話をかけるごとにピンコードを入力しなければならないし、音声案内の意味が分からない時があるのが短所である。

 いっぽうで、携帯電話の普及が公衆電話の衰退につながってしまった国もある。
 マダガスカルでは、公衆電話が町のいたるところにあるものの機能していなかった。テレフォンカードを購入しようと売店や電話局などへ行ってみたもののどこにも売っていなかった。また、ほとんどの人が携帯電話を持っているようであった。
 では、どのようにして公衆電話をかければいいかというと、町の中に電話機を置いた店や露店がある。(露店は大きなパラソルがさしてあるので見つけやすい。)そして、1分間にいくらという料金で電話をかけるのである。
 このような国は開発途上国に多く見られる。

 他にも、公衆電話はあるが、コインしか使えない国(テレフォンカードそのものがない国)もある。
 トルクメニスタンでは、街中にダイヤル式の旧式の公衆電話があった。もちろん日本にかけるのは難しいであろう。

 また、電話局に行かなければ公衆電話をかけることができない国もある。電話局に行くと電話ボックスのようなブースがあり、そこで電話をかけるのである。この場合も時間に合わせて料金を設定して電話をかけることができるようである。

 今後も、公衆電話事情やテレフォンカードのタイプは変わっていくだろうが、すぐに相手の声を聞くことができる便利な通信手段であることは変わらないであろう。